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ハァ、ハァ……
あれから何分経っただろうか。
いつの間にか明るかった道は暗い道へと変わっていた。
走り疲れたオレは、無意識のうちにその子を呼び止めていた…
「ちょっ、待ってくれ…
いい加減に疲れたぞ」
足を止め、息切れするオレに対して彼女も足を止め静かに口を開く。
「べ…別についてきてほしいなんて頼んでないわよ!」
涙を拭いたあとに振り向き、
睨みつけ指を指し怒鳴るように言ってくる
「大体、あんた誰よ!?
プロデューサーならともかく
なんで見ず知らずのあんたが追いかけてくるわけ!?」
「プロデューサー?
ま、まぁ…プロデューサーではないけどさ、
話し相手にはなれると思うよ
それに、女の子が泣いてるのは男として放っておけないし…」
苦笑いしながらその辺にあった自動販売機の横のでっぱりに腰を下ろす。
「しょ、しょうがないわね…」
そう言いながら彼女はそっとオレの横に腰を下ろす。
「そういや君、
765プロダクションから出てきたっていうことは専属アイドル?」
「なにあんた…
このスーパーアイドル水瀬 伊織ちゃんを知らない訳?
てっきり私のファンかと思っちゃったわ」
髪をかき分けながら自慢げに言う。
「ゴメン、あんまりアイドルとかには詳しくないんだ…」
「そぅ…それなら知らなくて無理はないわね。」
ここで、興味ないなんて言ったら面倒ことになっていただろう…
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