プロローグ

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「いいね!手紙は封筒に入れるから見せない様に」 かおるもかなりの乗り気だ。ボールペンを便箋に滑らせ、おもむろに、 数年後の親友へ そう書いていた。 義晴はそれを見て全く同じ事を書いて親友に対する便箋を書き始めた。 お互いに背を向けて内容を見せないように書く。不思議とスラスラ書くことができなんとなくワクワクするような、いますぐ走り出したいような変な気持ちになった。 まるで散歩の時間の子犬の気分だ。 これは横山薫風と白木義晴の中学高三年の夏のとある土曜日の出来事だ。
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