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チュンチュン……
雀の可愛いらしい呼びかけが漏れる中……人々が目覚める朝がやってきたのだ。
「篠理(ユリ)、朝だぞ?起きなさい……」
トントンと控えめに扉が叩かれるとそれから扉を開き中から男性が現れ部屋で寝ているであろう人物に声をかけたのだった。
男性は40代そこそこの優しげな面差しをしており、目は焦げ茶の垂れ目で、髪も目の色より色素の薄い髪をしており、髭が顎に少し付いてる男性である。
どうやら篠理と呼ばれた人物の父親らしい……
「ふぁ……はぁい……」
大きな欠伸をしながら、ベットの中でもぞもぞと身じろぎさせると、ユックリ掛け布団をまくって現れたのが、見事なまでにプラチナの銀の髪であり、まだ10歳ぐらいで幼く可愛いらしい面立ちの少女であった。
少女はまだ眠たいのか、目を擦りつつ、くりくりした翡翠の瞳で父親である男性を見上げていた。
「パパ、おはよー」
表情を綻ばせ笑顔を父親に向けて、挨拶をする娘に父親も顔を綻ばせて、娘の両頬に軽くキスを落とし「おはよう」と一言付け足して言ったのだった。
「篠理……学校だよ……早く仕度をしなさい。車で送ってあげるから」
「えー、学校~?」
父親の言葉に篠理は明らかに嫌な顔をして、学校だと言った父親に不満げに返事を返したのだった。
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