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「うー……嫌だなぁ……」
教室に近付いて行く度、段々とテンションが落ちていく篠理は、盛大に溜め息を吐き教室へと向かっていった……
そして、ある扉の前で足がピタリと止まり扉の上にあるプレートを確かめてみた。
--1年D組--
篠理はどこか緊張するような顔になると、ドアノブに恐る恐ると手をかけ、暫く何を思ったのか再び動きが止まり目閉じると、ハァ……と深く呼吸をして、パッと目を開き気合いを入れるように勢いよくガラッと扉を開いたのだった。
「おっはよー!!!」
篠理はそう言うつもりだったのだろう……
実際、扉を開けたと同時に、扉の上からポコンと言う音と共にモフモフした煙が舞い上がっていき、その煙たさにケホッと咳込むも何か解らず、キョトンとしている内、数人の男の子と女の子が、篠理の前にたっておりクスクスと笑い声を堪えるような顔で篠理を見ていた。
「アイナ! やったぜ!ばぁーか!! 引っ掛かってやんのー!!」
「アハハ!! こんな事考えるなんて! マルスったらおっもしろーい♪」
リーダーらしきマルスと呼ばれた男の子と、アイナと呼ばれる女の子が口々に笑う拍子に、それにつられるようにして周りの皆もゲラゲラと笑い始めたのだ。
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