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「い……生きてるのかな?」
ツンツンと、木の枝で突きながら好奇心で勝手に目深に被られたフードを取ってみる。
パサリとすんなりフードが取れてしまうと、篠理はハッとして驚いてしまったのだ。
何故かと言えば、紅く燃えるような炎の色をした髪、白い肌がそれを際立たせており、瞼を閉じている青年は、何処か幼げであるが中性的な面立ちであったのだ。
ここら辺に住んでいる人達には見ない奇怪な容姿であった。
青年の長い睫毛はぴったりと閉じられており、ただ寝ているだけなのにそれが神秘的に見え、篠理はついつい魅入ってしまうのだった。
「ん……」
暫くしてから、ピクリと青年の瞼が動くとユックリと目を開いたのだった。
その瞳も真っ赤に燃え上がっていた……その姿に篠理は目を奪われてまじまじと見ていたのだが、青年の方は覚醒したばかりで、焦点が合わないのか暫くボーッとしていたが、やっと自分以外に他人が居ると気づき、真っ赤な瞳を大きく見開いて、慌てて取れたフードを被ってしまうとすっぽりと紅いのが隠されてしまい、それが残念に思う篠理に青年は警戒しながら、フードの中から窺うように篠理に尋ねた……
「ガキ……何の用だ……」
綺麗な青年は外見に似合わず素っ気なく低い声に、少し驚いてしまい篠理は返事を返すのを忘れて、ポカンと口を開けていたのだった……
「ガキ……さっさと答えろ…殴られたいか?」
フードを目深に被っていた為、鼻から下しか見えないのだが、相手がイライラしているのが目に見えて解った。
篠理は一旦、間を開けると閃いたような表情をすれば、急に自分のポケットの中をがさがさ何かを探すように漁り始めた。
青年もフード越しから不思議そうに篠理を訝しげに見ていた。
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