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「うん…あのね、レントン」
「なに?エウレカ」
少し考えてからエウレカは言った。
「えと…私が描いてみてもいいかな?」
「え?うん、いいけど…なにか描きたいものがあるの?」
レントンが少し驚いた顔で言うとエウレカパッと顔を輝かせ
「うん!じゃあさっそく外で描いてみるね!」
「あ!待って!俺も行くよ!」
レントンは外へ駆け出すエウレカを慌てて追い掛けた。
―30分後
「できたわ!」
そう言ってエウレカが完成させた絵をさっそくレントンに見せた。
「お!どれどれ……ん、これってもしかして?」
「うん…ニルヴァーシュ!」
レントンが見たのは間違いなくかつての愛機・ニルヴァーシュのビークルモードだった。
「あのね…私がレントン以外に一番信頼してたのはやっぱりニルヴァーシュだし…ずっと一緒に頑張ってきたから…こんなことしてもむなしくなるだけかもしれないけど…」
エウレカが少し悲しそうな声で言うと
「ううん…エウレカの気持ち、すごいわかるよ!俺も…エウレカと一緒に乗るならニルヴァーシュ以外には考えられないから!」
レントンが満面の笑みを浮かべてそう言うとエウレカは涙を流しながら
「ありがとう…レントン…」
自然とレントンの体を抱きしめていた。
それに答えるようにレントンもエウレカを抱きしめ返した。
その時…
ドオォォン!
突然紙が爆発して辺りは大きな煙に包まれた。
「ゲホッ…なんなんだ!?一体…エウレカ!大丈夫!?」
「うん…私は平気…それよりも…」
二人は煙が晴れるのを確認するまで身を寄せあって立ち止まっていた。
そして煙が完全に晴れ二人の目に飛び込んできたのは…
「ニル…ヴァーシュ…?」
先程白い紙に描いた絵の実物だった。
「すごい!本当に出てきた!」
レントンが感動してエウレカを見ると彼女は大粒の涙を流しながら
「おかえり…ニルヴァーシュ」
まるで本物のニルヴァーシュを見るようにしてそう呟いた。
「なんだなんだ?」
「ママ?今大きな音がしたよー」
「あ!ニルヴァーシュだ!」
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