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「あ…そうだ。ヒルダさん、ギジェットさん。これを…」
そう言ってサムナはヒルダとギジェットに銃を渡した。
「…なんでこんなもの持ってるの?」
ヒルダが不審に思って聞くと
「俺は世界を旅してるんですがたまに野党とかに襲われたりするんですよ。だから武器は常にいくつか持ってるようにしてるんです。」
「ふぅん?まあ深く聞く気はないわ。これはありがたく借りておくわね。」
そう言って銃をしまった。
「なぁストナー。」
「んーなんだ?」
「こんなとこ撮って楽しいか?」
「…ったくわかってねーな。こういう自然こそ…」
ストナーが語りだそうとしたが
「いや…いい。いいって…長くなりそうだしー」
マシューは面倒臭そうに手をパタパタ振ってそう言った。
「ん…おい。マシュー…前」
「んー?」
ストナーの言葉にマシューが目を凝らして見る。
スウィートハニー号を進ませながら近付いていくとそれは段々大きくなっていった。
「うぉ!でけぇ…!ありゃなんだよ?」
「本で見たことあるな。こいつは…確か象だ!」
「象?なんだそりゃ?」
「昔地球に住んでた生き物の一つだ。…しかし本で見た限りじゃこんなとこにはいないはずなんだが…?」
「ふぅん…めちゃくちゃでけぇけど襲ってきたりしねぇだろうな?」
「それは大丈夫なはずだ。象ってのはその姿とは裏腹に大人しい穏やか生き物らしいぞ」
「それも本に書いてあったのかー?」
「ああそうだ」
「本好きだなー?俺はそういうの駄目」
「ったくお前ももう少し歴史のこと知っておいたほうがいいぞ?…まあ俺の場合仕事柄ってのもあるが…」
「別にあんまり興味ねぇしなー。まあとにかくこの象ってのは無視していいんだなー?」
「ああ」
そう言ってマシューは象を素通りしようとした……が
ズシ…
「おい…?今何か踏んだか?」
「…なんか踏んだな…」
「ていうかなんで象の目の前を通ったんだ?」
「いやー寝てたみたいだしせっかくだから間近で見てみたくてなー」
「なんだよ…やっぱり興味あんじゃねーか」
「そうかもなー」
『はははは…』
二人が声を合わせて笑うと
「パオオォォォン!!」
突然背後から大きな鳴き声が聞こえてきたかと思うと衝撃がスウィートハニー号を襲った。
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