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『うん♪お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、彼氏みたいなとこもあるからさっ
上手く表現できないけど』
今朝もクラスメートが大騒ぎしてたんだよ!と嬉しそうに言う京。その笑顔をじっ と見つめた。
僕は勘違いされても良いんだけどね、京。…京は僕がずっと守ってきた。それはこれからも変わらない。
僕の京…本当にそろそろ男に注意したほうが良い。…あんな白衣の男に触らせたくない。
律の知らないところで白衣の男に触られると思うと、律はたまらなかった。
「京」
『んあ?』
「僕らが実の兄妹ではないこと、知ってますよね」
悲しそうな表情で頷く京。
『うん…りっちゃんが本とのお兄ちゃんだったらな』
「…僕は血が繋がってなくて良かったと思う」
『…え?何で…?』
律の髪を撫でていた手の動きが止まった。京を見上げると、目に涙をたたえていた。
勘違いしているらしい。
律は体を起こした。
「…僕は京が大好きだから。兄妹だったら、キスもできない」
『…え?りっちゃん?』
戸惑い顔の京をとん、とソファーに倒した。上に覆い被さる律。
「僕は、本当の彼氏になりたいんです。…京は僕が好きでしょう…?」
開いている襟を広げ、首を舐める。びくっ と痙攣し律の服を掴んだ京。
『りっちゃん!冗談がすぎるって!!…や、めて…』
ぎゅう…っと京を抱きしめ、囁いた。
「僕が冗談言ってるように聞こえました?…本気ですよ。僕は京を愛してる。妹としてじゃなく、一人の女の子として」
京の心拍数が上がったのが分かる。
『でもっ…あたしたち兄妹だから!こんなことしちゃだめだよ!』
その言葉を聞くと、京から体を起こした律。ほっ とした京を見ながら、ネクタイを緩めた律。
「実の兄妹じゃない。…僕たちは、ただの男女なんですよ?
ずっと我慢してました。触りたくてたまらなかった…」
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