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熱っぽい手が、スカートの中に侵入してきた。
律は片手でブラウスのボタンを外していく。
『りっちゃん…!!やだっ変だよ!!…っ』
「僕が本気って、分かります?」
律は真剣な表情で京を覗き込んだ。京は勢い良く頷いた。
「…良かった」
ほっ としたように表情を和らげ、額にキスした律。
…っ何で?
京はぽろぽろ涙を零した。片手でしっかりブラウスを掴み、泣く京を見て切なそうに目を細める。
「京、ごめんなさい…でも、白衣の人のことで我慢できなくて…
焦ってしまいました。早く京を手に入れたいと…」
優しく頭を撫でる手はいつものりっちゃん。…けど、言葉の意味が理解しがたいよ…
どうしてりっちゃんみたいな人があたしを?仮にも兄妹なのにっ
『こ…わかった…っ!りっちゃんのバカ…!』
抱きついてきた京を優しく包み込む。
「…ごめんなさい。京、泣かないで…」
…――
赤ちゃんのようにあやされている間に、京は泣き疲れて眠ってしまった。
その寝顔を見つめながら律は呟く。
「京…僕の京…愛してる。僕には京だけだから、どうか僕のことも受け入れて…」
そして、首筋に紅い花を咲かせる。
僕のしるし…誰にも手だしさせない。
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