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赤くなる京をじっ と見つめる淳希。
「俺、京のこと気に入ったわ」
『…はい?』
「言ったまんまの意味♪」
またこの人は…意味不明なことを!!
『そっそれより!!ケータイ返してください!!』
「いきなり敬語ー?…返しても良いけど、代わりにキスして?」
にっこりと笑う淳希。距離をつめ、カシャン、と後ろの柵に手をかけた。
冷や汗をかくのを感じた京。
『…あたしからしろってこと?』
「頬じゃダメだから」
『えええ!?』
ちらりと淳希の左手を見る。固くケータイを握りしめている。簡単に取れそうになかった。
『…っも~…』
「あははっできないなら俺からしてあげるよ?俺、される方よりする方なんだよね
でもさっき拒否られたから」
『本気だったんじゃん…い、一瞬だからっ…目、瞑って…』
京の緊張した涙目に、心臓が早鐘だった。
可愛すぎだろ。京…
「…はいはい」
目を瞑ると、京は恐る恐る淳希の頬を両手ではさむように触ると、顔を近づけていく。
その時、ふっ と二人に影が落ちた。
びくっとして上を向くと、淳希に負けない程の美形な顔立ちの男が立っていた。
「…生徒襲ってんなよ昼間っから」
ぱっ と目を開けると、ため息をついた淳希。振り向いた。
「たつき…良いとこ邪魔すんなよなあー!サボるんなら保健室行けや!!」
京ははっとした。
このかっこいい人がたつき君…!?
うそ…やばすぎでしょ!!
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