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「何?お前この子のこと好きなわけ?」
京はびっくりして淳希を見上げた。沈黙のあと、淳希は笑った。
「好きじゃないけどお気に入り。だからたつきには触らせたくない」
愛しげに京を撫でる淳希。たつきはどこか見下したように笑い、言った。
「そ?なら良いや。好きじゃないんだろ?…俺は好きだよ。好きになった」
しん、と一瞬辺りが静まった。
京はぽかっ と口を開けてたつきを見た。
…たつき君?今なんて?
「一目惚れってやつだから」
京をまっすぐ見つめ、言い切ったたつきに顔を赤らめた京。
『…あの、え?』
「俺と付き合わない?」
ガチャ
「「…――」」
開いたドア。そこに立ち尽くす都と來斗。
「都。想像以上。俺一目惚れしちゃった」
さらりと言うたつきに都はがくっと肩を落とした。
「あんたねえ!!冗談はやめて!!しかも授業サボってるし!!」
「それに淳希もいるってどゆこと??」
首を傾げる來斗。
淳希はそれでも京を離さない。逆に少し力を強めた。
『淳希…っちょっと苦しいよ…』
「…邪魔入った…」
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