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「京、ケータイ返すから放課後保健室に来いよ。…秘密で」
淳希は京に囁くと、屋上から出て行った。
ぼーっとして出口の方を見ていると都に手を掴まれた。
「本当にもう!!京、行こ!」
『ん?あっ、うん…』
「都ちゃん俺はー!?」
半泣きで二人に追いすがる來斗。
みんなが出て行ったのを確認したたつきはフェンスを背に座り込んだ。
ぐしゃ
髪の毛を掴みため息をつく。
「嘘だろ…莉遊…忘れかけてたのに…あいつ似すぎ…」
髪の間から見えた表情は泣くのを必死に堪えているようだった。
空は揺れるたつきの心と反対に青く澄み渡っていた。
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