境界

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    …――     お兄ちゃん、お兄ちゃん…     莉遊…?また泣いてる?俺はもう助けられないよ… 泣くな。俺は…       はっ とした。   目を開くと一面の空。あれから寝てしまったらしい。ケータイを見ると午後の最後の授業が始まっている時間だった。     「毎度のことながら自分に驚くわ… よく屋上で何時間も爆睡できること」     がしがしと頭を掻いてのそのそと起き上がった。     …あの夢を見たあとはいつも頭が重い。 休みたいが水瀬に殺されるし、それに…あの莉遊とそっくりな女。 気になっていることは否めない。     唇をかむと鞄を拾った。     「行くか…」      
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