27人が本棚に入れています
本棚に追加
…――
お兄ちゃん、お兄ちゃん…
莉遊…?また泣いてる?俺はもう助けられないよ…
泣くな。俺は…
はっ とした。
目を開くと一面の空。あれから寝てしまったらしい。ケータイを見ると午後の最後の授業が始まっている時間だった。
「毎度のことながら自分に驚くわ…
よく屋上で何時間も爆睡できること」
がしがしと頭を掻いてのそのそと起き上がった。
…あの夢を見たあとはいつも頭が重い。
休みたいが水瀬に殺されるし、それに…あの莉遊とそっくりな女。
気になっていることは否めない。
唇をかむと鞄を拾った。
「行くか…」
最初のコメントを投稿しよう!