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…――
『いいって言ってるのに…』
京はため息をついた。結局、律は心配でついてきたからだ。
「僕の京が変なのに会ったらどうしようって心配でね」
『…っ』
んなさらっと言わないで<僕の>なんて
多分無自覚なんだろうけどね
坂を登りきると、大きな校舎が見えてきた。
『やっぱりでかっ!…なんか京さん緊張してきたああ!』
「昨日挨拶しにきたから職員室はわかりますよね?」
わざわざ校門の中にまでついてくる律。校舎の窓からはちらちらと視線を感じた。
『ありがとりっちゃん…もうここまででいいよ?』
結局律は靴箱の所まで来てしまい、京は振り返った。
「はい、ここまでにしときます。…京。」
おいで、と片手を伸ばされる。あ、と何かを思い出したようにぱたぱたと律のもとへ駆け寄った。
「いってらっしゃい」
京を引き寄せると、ちゅ。と頭にキスを落とした律。
『忘れるとこだったよ。それじゃまたー!』
律はにこっと笑って帰って行った。
『…りっちゃん後ろ姿もかっこいい』
一人で照れているとカツン、と後ろから足音がした。びっくりして振り返る。
『…!』
「熱々だねえ、朝から……?見ない顔だけどもしかして転校生?」
京は言葉を失った。
はく…白衣の天使…がここに!
『そ、そうです!黒河 京っていいます!…あの…』
「あ、俺ここの保健医。京ちゃんね、よろしく」
かっこいい先生…芸能人の人らよりかっこいいんじゃ?
それに白衣+メガネってやばいっ
「ところであれ、彼氏?同棲してんの?」
突然の質問に我にかえった京。
『あれ、兄なんです。りっちゃんて言って、血は繋がってないんですけど』
それを聞くと目を丸くする先生。
「へぇー!…そっかあ…京ちゃんさ、寝るとき鍵閉めなよ?」
『…?はい!』
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