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よく分からない注意をされ、一応頷いておいた。
先生は職員室に行くよりも教室に行った方が早いよ、と言って京を教室まで送ってくれた。
「ここね。2-A。それじゃ京ちゃん、具合悪くなったらいつでもおいで~」
優しく頭を撫でると先生はもときた廊下を戻っていった。
『…頭撫でられた。優しくてかっこいいなんてりっちゃんみたい』
教室の前でまたも一人で照れていると、ガラッとドアが開き、担任が顔を出した。
「あ、黒河?教室よく分かったね。ちょーどいいや自己紹介しちゃって」
緊張する…
おそるおそる教室の中に入ると突き刺さる視線。
「黒河 京ー。中途半端な時期に来たけど家庭の事情ってやつね~
いじめとか糞みたいなことしたら速攻、退学ね、はい以上」
適当な紹介にはああ、とため息をつく生徒。
「ゆうー、転校生がびっくりしてるー」
「お前紹介くらいちゃんとしろよー!」
うるさい、と片手であしらう担任に苦笑いをすると文句を言った二人と目が合った。
美人な女の子と綺麗な顔立ちの男の子が笑顔で小さく手を振った。
「じゃー、まあ、委員長頼むわ。黒河はあの女の隣ね」
「てめえこら、ゆう。人に指さすな それとあたしは都だ!!」
途端に笑い声に包まれる教室。
京が席につくと、つんつん!と後ろからつつかれた。
「京ちゃんていうんだ?…僕の前にきたのも何かの縁、これを機にお付き合いをぐはっ!!」
「京ちゃん、コイツシカトしていいからね
あたし都!!可愛い子が隣なんてっ これからよろしくねん」
都に殴られた男の子を気にしつつ、京は笑顔で頷いた。
『こっちこそよろしくっ!』
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