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セリフィア王国の景色に馴染んでいたリューンには此処が王都と言われピンとこなかった。
左手に大きな坑道が延び、坑道に沿うように店が開いているが、家も無ければ王宮も見えない。
坑道奥に巨大な扉が有り、衛兵が立っているのが見えるだけである。
話には聞いてはいるが、王都として認識できないのである。
確かに人通りはあるが、坑道が広いためかまばらに見える。
「なんか、人が少ないし、町という感じがしないなぁ」
リューンが呟くとニッドが言う。
「ははは、トンネルの左右の穴に店があるだけで起伏が無いからなぁ。
それに城も穴だから普通の城のイメージにそぐわないしな」
「やっぱり、ニッドもそう思うのか。」
「ああ、何度きても此ればっかは違和感があるな。
ま、その内なれるって、それと町の人や通常の商店は脇の坑道沿いに有るから西大坑道には余り人は居ないのさ。
此処に居るのは移動のための住民か、他国から来た旅人や商人達さ」
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