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「やっぱり皆私が見えないみたいだね」
「だな」
怪しまれないように小声で喋る
ある程度予想はしていたが誰一人として茜が見える奴はいなかった
「マズイわね、このままじゃ…」
「このままじゃ…?」
「皆が見えないのを良いことに琉にモリモリえっちな事をされちゃう!?」
「…」
ここが教室じゃなければ奴をとっちめる事が出来るんだけどな…
っと、授業が始まるな
「やってくれたな…」
「えへへ~」
えへへじゃない
コイツはやっぱり危険人物だった…
~二時限目~
化学室
ここにはダミアンによる粉塵爆破事件の傷跡がまだ残されている…
「今となっては良い思い出だよね~」
「教えてやろう。今も昔も、あの話題になって笑ってられるのはお前だけだ…」
ついでに言うと、化学室に入るだけで発狂しかける生徒がうちのクラスに15人ほどいる…
「ねぇ、琉」
ん?
「あのね」
うん
「やっちゃった、また♪」
ボンッッッ!!
…why?
~で、今~
「だって~、お砂糖舐めてたらゴキブリが来てね。叩き潰そうとして振り上げたらそれがお砂糖袋だっただけだよ?」
そんな具合で、ダミアン様はトラウマった生徒を予備軍15名+新規8名ほど病院送りにした
当然学校は午前で終わり、今回の事件は現在警察と消防が原因を調査している
…無駄骨だな、可哀想に
「…君は少し反省しよう」
「琉~、これからどこ行くの?」
スルーですか…
「とりあえず家に帰る」
「え~?折角だからどっか遊びに行こうよ~」
「遊びに行ったらまた問題起こすだろ、お前」
流石に疲れた、少し休みたい…
「…じゃあ、一つだけお願い」
「まぁ、一つだけなら」
「手」
手?
「手、繋いで」
「…ああ」
口数もそこそこに、二人で家へと向かって歩く
茜の手が幽霊のくせに暖かいからか、まだ茜が死んだという実感があまり持てないでいた
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