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「なぁ…」
プルプル…
「いや、そんなビビらなくても…」
まいった
筋金入りの怖がりだコイツは…
「りゅ、琉、お化けいる…?」
「まぁ、いる…な」
「…っ!」
俺のとなりに、と言う前にまた俺の腕に顔を埋めてくる茜
そろそろ血が止まりそうだ…
「…戻る?」
ふるふる…
「…喋れないほど怖がってるのに?」
「だ、大丈夫だから…」
本当かい…
「でも、どうしてそこまでするんだ?」
怖いならやらなきゃ良いのに…
「…はぁ、にぶちん…」
「…?」
「もう…後ではっきり言ってあげるから、いい加減気付けバカ…」
「はぁ…」
でも…
「そこまで強気ならいい加減腕放し…」
「それはダメ」
「怖かった…」
「痛かった…」
右腕の感覚が皆無だ…
「で、ここが終点?」
腕にしがみついた茜が健気にも指を指していた場所に着いたのだが…
屋上…だよな?
「そうだよ、ちょっと寒いね~!」
見事に完全復活を遂げましたね茜さん…
「で、そろそろ戻る?」
と、聞いたのだが…
「…あのね、琉」
茜は真顔で…
「…ずっとね、聞きたかった事があるの」
…そんなことを言ってきたのだ
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