真実

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「あったかくなったね~」 「ああ、まだ少し寒いけどな」 また春が来た 二人で歩くこの道も桜並木となり、冬よりも幾分か暖かな気持ちになる 「はう~、とろける~…」 「おいおい、とろけるなら学校でとろけてくれよ…」 「ん~、おんぶ~…」 「勘弁してくれ…」 「…んぁ?」 …おはようございます はい、寝てました 春の陽気に負けました すみません、本当はいつも負けてます 「おい、そこの変態」 「なんだいマイハニー!?」 少しは傷つけよ… 「…今何時限目だ?」 「四時限目が終わったと…あ!!今日は僕がお弁当を作…」 「OK、消えてくれ」 「ああ!ゾクゾクする!!」 …奴は最近完全に目覚めた 「茜は…図書室か」 もう一つ最近変わった事 俺が授業を受けている間、茜は図書室に行くようになった 図書室といっても、あまり人の出入りが少ない図書準備室の方で、そういえば何故かお菓子の食べカスが散らかっている 本人曰く 『お姉さんが作ってくれてるんだよ~』 …だそうだ お姉さんって、あのよくわからない人の事だよなぁ… 俺は直接話した事などないが… 「…今度なにかお礼の品でも持っていくか」 一人悶々としながらも、弁当を持って図書準備室へと足を運ぶことにした
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