真実

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「今すぐに…彼女と別れなさい」 戦慄が走った そう言われる理由も解らず、従う理由も理解できない なのに、何故かその言葉からは俺にとっての最悪のイメージが浮かぶ もしも ある日突然、何の前ぶれもなく あの時みたいに 茜が消えてしまったら? 「そう、あなたたちは出会うべきではなかったんです。つらい別れを二度もしなくてはいけなくなってしまった」 出会うべきでは…なかっ…た? 「この忠告も私なりの善意です、傷は浅い方がいいでしょう?」 …違う 「わかりますか?彼女の為にも、貴方から身を引くべき…」 「違う!!」 叫ぶ 悔しくて、それでも自分の意思を曲げないために 「…何が違うというんですか?」 「俺達は、絶対に傷ついたりなんかしない」 「結果的にそうなるという事もありえるのではないですか?」 「ありえない、茜が消えて別れることになるなんて俺には想像出来ない」 「まるで子供ですね。いいですか?これは確定事項です、彼女は消える」 彼女は消える、目の前でそんなことを言われても 俺にはそんなイメージはこれっぽっちも浮かばない 「起こり得ないことなんか想像出来ない、茜は絶対に消えない」 「…幽霊とはいえ、彼女も人間なんですよ?それは、一生彼女と生きるという事ですか?」 「そうだよ、俺は一生こいつと一緒だ」 「貴方程度が彼女を守る自信なんてあるんですか?」 「当たり前、俺以外に茜を幸せに出来ないし茜以外俺を幸せに出来る奴はいない」 自信を持ち言い放つ どんな反応が返ってこようが信念を曲げないために 自分に負けないために 「成程、言いたい事はそれで全部ですか?」 ああ、と無言で頷く 静寂…鼓動が早くなっているのを感じる 「…だ、そうですよ?聞きました?」 「は?」
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