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時刻は四時、空は赤く染まっている
「ってか、そんなに時間たってたのかよ…」
「まぁ楽しい時間はあっと言う間って言いますからね」
楽しくなかった、絶対に楽しくなかった
そんな腹黒女と歩き、図書室から大分離れた所で
「さて、貴方だけには言っておく事があります」
正直な所、あまり良い予感はしなかった
いや、恐らく言うことは一つだろう
「そう遠くない未来、彼女は消えます」
今度こそ…
「冗談じゃ…ないんだよな?」
正体も分からない人に言われても
いくらそんな事態が想像出来なくても
「残念ですが、これは確定事項です」
「…そうか」
受け入れなければならない真実
「けど、貴方達なら大丈夫でしょう?」
「まさか、いくら何でも過信しすぎだ」
「おや、さっきの貴方はもっと格好良かった様に見えましたけど?」
…腹黒め
「それに、もしかしたら神様が守ってくれるかもしれませんよ?」
「いれば良いけどなぁ…」
「信じるものは救われますよ。じゃ、私はこれで…」
言って、女は昇降口を後にする
「…キツイな」
何処までも自然に、何処までも普遍に
そして何処までも残酷に
茜は消えるという真実を言い残して…
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