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「お花見行きたい!!」
「いやぁ無理だろ!?」
四月も下旬
舞っていた桜も全てが散り、葉桜となった街路樹に日差しが降り注いでいた
そう、町中が風情ある葉桜だ
だというのに…
「絶対ある!」
「ないって…」
そんなどっかの島じゃあるまいし…
「っていうか、なんで今ごろ花見なんだよ…?」
大体、花見なんてみんなでドンチャン騒ぎしたいが為にやるものだ
なら桜が無くたって良いような気がするのだが、コイツの場合…
「だ、だって…」
「だって?」
「だって、お酒とか貰っちゃったし…」
「…誰から?」
「お姉さんから、この間のお礼で超おいしいし酔わないですよ~、って…」
…あの腹黒、未成年に酒を与えるか?
「酔わないんだって~」
「ありえないって…」
「ねぇ、酔わないんだって~」
「だから、ありえ…」
「ねぇ~、酔わない…」
「…大体桜がないだろ?」
「それを今から探しに行くんじゃない!」
心が折れました…
「…シートと酒と食品持ってこい」
「やった!お酒はそこ、お弁当持って来るね!!」
「準備してあるということは拉致してでも連れていくつもりだったな…」
「え、えへへ~」
笑いながら逃げた茜を一別して酒をリュックに積める…あれ?
「これ、シャンメリーじゃん…」
酔わない酒…いや、間違ってないようで間違ってるが…
まぁ…感謝すべきなのかこれ?
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