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『ドサッ!!』
「なんだ?」
階段半ばで足が止まる
「茜の奴、米でもひっくりかえしたのか?」
…非力なアイツに米袋はキツいだろうな、仕方ない
「おい、大丈夫…」
頭が真っ白になった
「茜!?」
台所にはだれも立っていなくて
「はぁ…ぐっ…」
足元で茜がうずくまっていた
「な…お前、しっかりしろ!?」
「だ、大丈夫だよ…あはは…っ!!」
「バカ、そんなわけないだろ!くそっ、どうすれば…!!」
「っ!!お、お願いだから…抱きしめてくれれば…っ、大丈夫だか…ら…」
「くっ!!お前、大丈夫じゃないから今…え?」
おい、嘘だろ
茜を抱いているはずなのに
なんで俺の腕が見えるんだよ?
「はぁ、うぐっ!!」
「お前、もう体が…」
「っ…信じて…大丈…夫、だから…」
…俺はバカだ
いつか茜が消えるなんて、心のどこかでは嘘だと思ってた
それが、今になってこの様
「俺は…俺はどうすればいいんだよ!?」
俺は…
もう二度と茜と一緒に笑えないのか?
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