消えゆく命

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「なんでだろなぁ…」 家から出て一時間もしないうちに帰路についている 結論、何処にもいなかった 「俺のバカ…」 こんなことなら始めから茜に付いていてやればよかった 本当に、なにをやってるんだ俺は… 「はぁ、まずいな…」 今朝から精神的に完璧にまいってしまった 「…このまま帰っても普通に話せそうに無いな」 溜め息をつき、空を見上げたとき 「なら、私とお話します?」 後ろから話しかけられた 「…アンタ、今日は学校にいなかったんだな」 「私もそんなに暇じゃありませんから」 「…もうなんでもいいや、アンタに相談がある」 「奇遇ですね、私も相談があります」 …俺に相談? 「なんだよ、俺に相談って…」 冷酷な瞳、間違いなく良くない事を聞かれると分かっていた 「相談というより、覚悟を決めて下さい」 ただ、目の前の口からこの言葉を聞いたとき 「彼女を今すぐ楽にしてあげるか、彼女が苦しんでじわじわ消えるのを待つか…貴方が決断してください」 俺達には、もう救いは無いのだと悟ってしまった
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