あるこほりっく

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夏休みも中盤に差し掛かった頃、家によくわからない木箱が送られてきた 「誰から~?」 「全く覚えのない人」 まぁ宛名がオヤジの名前だから死んだのを知らない古い友人という所だろう 「琉~」 「はいはい、家に釘抜きなんてあったかな…」 「うわ…」 開けてみて驚いた 「随分と高そうな酒だな…」 「すごいねぇ~」 しかも数が一本や二本じゃない 一ダースはあるだろう 「どうしよう、これ」 「飲まないの~?」 「飲まない」 というよりこれってかなりキツそうな洋酒だな ご近所さんにあげても良いな 「ちょっと近所回ってくる」 「ほーい、行ってらっしゃ~い」 高そうということもあって、ご近所さんにはなかなか好評だった それでもあれだけあったので二本ほど余ってしまった 「琉、晩御飯どうする?」 「今日は麺類がいいな」 「おっけ~」 まぁ残ったのはまた後で考えるか あと数年寝かせて俺が飲んでもいいし 酒をリビングに置いて夕飯までくつろぐ事にした
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