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『一人にしないで…』
…夢を見た
『離れたくないよ…』
…深く、辛い夢
『もっと、そばにいたいよ』
…そんな夢から救ってくれたのは
『…ジリリリリリ!!』
けたたましい目覚ましの音だった…
幼馴染みが死んだ
死因は交通事故、即死だったそうだ
遺体なんか涙も出ないほど綺麗だった
それから一週間、さっきみたいな夢を見続けている
「行ってきます」
俺、三崎琉は誰もいない家に向かって呟いた
元々両親は15の時になくしていたし、両親の遺した遺産で…まぁかなり遊んで暮らせる額だったので生活には困っていなかった
お陰で無事に高校にも行けてるし、一週間前にはあんなこともあったけど結構立ち直れた
ただ…気になるのはあの夢
「あれってまだ立ち直れてない証拠なのかなぁ…」
気晴らしに漫画を大人買いでもし…
「笑顔を忘れずに!!」
「ぐぉは!!」
後ろから何者かのドロップキック
いや、犯人は分かってるが…
「あちゃ~、大丈夫?」
「…殺していいか?榊」
このアホの名前は榊智人
年中、主として男に発情してるただのアホ
「そんなに切れない、カルシウム足りない?」
…脳裏に『殺』の字が浮かぶ
待て、落ち着け三崎琉…
コイツに構うだけ時間の無駄だ…
結論:放置
「大体琉は一人暮らしだから食生活が…ってあれ?琉はどこ?」
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