彼と彼女の目覚め

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茜の墓は近い そのせいか、ほぼ毎日足を運んでしまう 「よう、元気か?」 いつもの癖、軽く手を合わせた後に話しかける 俺の幼馴染み、『自称』彼女の雨宮茜は…なんていうか、中々の不思議ちゃんだった もう怖いくらい無茶苦茶な行動を繰り返しては周囲の人間を巻き込む奴で、皆からはダミアンの異名で恐れられていた 化学室でガスバーナーの上に砂糖をばら撒いて粉塵爆破を起こしたときには流石に俺も死を覚悟した… そんなダミアン、もとい茜が死んでしまった時の皆の声は 『交通事故ごときでダミアンが死んだ!?』 酷い言われようである… しかしそんな茜でもみんなは結構好いていたようで、ちょくちょく墓参りに来ているようだ 「ふぅ…じゃあな」 花も添え、線香も焚いて帰ろうと腰を上げたとき 『…一人にしないで』 「…?」 そんな言葉が聞こえた気がした
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