彼と彼女の目覚め

5/5
前へ
/197ページ
次へ
『一人にしないで…』 …またこの夢か 『離れたくないよ…』 …一体なんなんだよ 『もっと、そばにいたいよ』 …ならそばに来ればいいだろ 『あ、そっか。やっぱり琉は頭いいね~』 …は? 『ジリリリリリ!!』 「相変わらずうるさい目覚ましだな…」 買い換えることも検討しなくては 「それにしても…」 あんまり覚えてないけど、今日の夢はちょっとおかしかったような… いや、深く考えないようにしよう 夢なんか気にしたって一文の得にもならな… 「おっはよ~ございま~す!!」 「うわぁぁぁぁ!?」 な、なんだ? 榊の襲撃か!? 「いや~久々に見る生の琉はまた格別だわぁ」 …久々とかではなく、不法侵入はよくない 一体今度はどこのアホが…って …え? 「どしたの?」 いや、どしたのではなく… 「あ、もしかして嬉しさのあまり涙が出る直前?ん~?」 茜…さん? 「ちょっと~、久々に愛しの茜様に会えたんだからなんか言いなよぉ」 「お、おま、なんで、こ、ここ、いる…」 「うわぁ、言語崩壊してるし…」 なんで…こんなことに茜? 待て、クールになれ これはまだ夢の中だ よし、自己完結で終… 「いやぁ、目の前にいきなり琉がいるなんて私もラッキーだなぁ~、化けてでたのは正解だったわ!」 「…化けて?」 ルックアットザ足元 あ、ホントだ。足がない 足が…ない? 「ウギャァァァ!!」 「あ、その反応はちょっとショックだなぁ…」 こうして、俺の日常の歯車は狂い始めたのだった…
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2227人が本棚に入れています
本棚に追加