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「大体、琉がそばに来いって言ったから来たんだよ?」
「言ってない、断じて言ってない!!」
~五分前~
「そろそろ目が覚めた?」
「ああ、現実と向き合うことが俺の使命だと悟った…」
結論から言ってしまうと、茜は正真正銘の幽霊だった
足もなければ宙にも浮いてる
ただ、不思議なのは…
「どうしてお前、俺に触れるの?」
「分かんない♪」
そう、物には触れることが出来るのだ
幽霊についての認識を一つ修正しなきゃな…
「っていうか、何でお前ここにいるの?」
~今~
そう、こいつは俺が呼んだと言うが全く覚えがないのだ
「え~、でも琉確かに言ってたよ?」
そんな記憶は…あ!!
「今日の夢!?」
「そうだよ~、やっと思い出したなこのドジッ子め」
お前にだけは言われたくなかった…
確かに今日の夢で俺は…
「『茜、お前のいない人生なんて考えられない、化けてでもいいから帰ってきてくれ!!我が愛しき人よ!!』…って懇願してたじゃん」
「してねぇよ!?」
「え~?」
何が『え~?』なんだかさっぱり分からん
「…で、化けて出てきたはいいが、お前は一体何しに来たんだ?」
そう、そこが一番の疑問だ
「何しにって、分かるわけないじゃん」
…へ?
「もう!さっきから琉は質問ばっかり、私が帰って来たことが嬉しくないの!?」
「そ、そりゃ嬉しいに決まってる!でも、分からないってどういうことだ…?」
普通未練とかそういうものがないと幽霊って出てこないんじゃないのか?
「だって、気付いたらここにいたんだもん」
…どういうこと?
「そんなことより、そろそろ家出ないとガッコに遅れるよ?」
「は?まだそんな時間な訳…」
ハチヂジウニフン…
「…うわぁ!!遅刻だぁ!!」
「うちのガッコー遅刻厳しかったもんね~」
もう特技と誇れるくらい早く着替えて…
「あ、ちょっと~、置いてかないでよ~!」
っていう茜ボイスを背にして学校へ向かった…
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