感恨相殺~かんこんそうさい~

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着いてみると、看板には大きく「会議室」と書かれていた。 軍法会議で銃殺刑だろうか? 「入ってくれ」 閻魔大王の響きを伴い、マリアンが地獄へ堕ちろと言ったように聞こえた。 ああ、ここで死ぬんだ、と言う、半ば清々しい気分にマックスは一人で勝手になっていた。 マリアンより先に入り、部屋を見渡す。 ホールのような大きな部屋の中心には、よく小学校にある木とパイプで造られた机と椅子があり、それを囲むように長机が配備されていた。 「あの席に着いてくれないか?」 後ろからマリアンが、そのポツンと佇む机とイスを指す。 言われたままに着席。ずいぶん小さい。膝が机に当たりそうだ。 その間にも、マリアンは正面にある長机の中央へ。
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