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グニャリ。
「えっ?」
桜が、歪んだ気がした。
ゴシゴシと目を擦り、再度桜の姿を捉えるため顔を向ける。
桜が視界に入ると同時に脳が認識した時、
──キィンッ。
「ぅ……っ……あっ……!」
頭の中で琴線を弾いたような音が鳴り響いた。
それは次第に大きく、激しく僕の頭の中で鳴り響く。
鳴り止まない音に顔が苦痛で歪んだ。
額にじっとりと脂汗が滲み出てくる。
「あ……」
ギィンッと強く音が鳴り響く。
グラリと視界が歪んで僕の体は崩れ落ち、地面に倒れた。
「侑真!?」
僕の側で小桜が叫ぶ。
周囲から悲鳴や何かを叫ぶ声。
薄れゆく意識の中、桜の嘲笑と啜り泣く声が聞こえた様な気がした……。
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