*第一話*桜花を鎮静せよ!

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クシャクシャと父も笑いながら、僕に話し掛ける。 「そうだぞ?何も明日、明後日に鎮静しろとは言っていない。退魔法をやっても不安定だからな」 確かにそうだ。 力が覚醒したからといって、そのまま行かせれば今回の二の舞となってしまう。 最悪の場合、前より強い妖気に中てられ昏睡状態となる。 それなりの対処法を備えてなければならない。 「よって、侑真は一週間程学校から帰ったら修行すること」 「あら、それは良い提案ですわ旦那様」 「…………」 「そうだろう、そうだろう」と父はいつもの寛容のある笑顔で笑い、 小桜もニコリと微笑んでいた。 二人の周囲で花が飛んでいる雰囲気に割り込めないまま、僕は行き場の無い状態にさらされる。 (僕の意見は……?) どうして父には敵わないのだろうと僕は頭を抱えた。 視線を感じ、ふと顔を上げると父と目が合う。 「うっ……」 タラリと冷や汗が一筋、頬を流れた。 父の表情は眩しいくらいニッコリと笑っていて、背後には「修行への有無は聞かない・言わせない」という暗黙の文字が見えている。 逃げられない修行を覚悟し、己の力の向上と使命を果たすため。 「今日から宜しくお願いします」 そう、父達に頭を下げる僕だった。
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