*第一話*桜花を鎮静せよ!

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「いや」 湊都さんも青年と息を合わせ、避けたり攻めたり対峙している。 一方、悪しきモノといえば徐々にいらつき始めていた。 「忌々シイ、忌々シイ!!」 大きく手を振り、瘴気をばら撒き、悪しきモノはもだえる。 取り乱しているような、苦しんでいるような。 そんな感じに僕は思えた。 「さっきの香はアレを誘い出すため用だ」 青年が斬りかかり、湊都さんが呪符を飛ばす。 かわして、仕掛けて、言葉を紡いで。 絶え間なく湊都さん達と僕は悪しきモノと対峙する。 (そろそろ十五分弱……) 二陣を張ってから大分時間が経った。 だんだん僕の体力・精神力に限界がきている。 視界が霞み、正確な状況判断が出来なくなっていた。 「ひよっこ」 そんな中、ふいに湊都さんが僕の背中に自分の背中を合わせ話し掛ける。
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