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「いや」
湊都さんも青年と息を合わせ、避けたり攻めたり対峙している。
一方、悪しきモノといえば徐々にいらつき始めていた。
「忌々シイ、忌々シイ!!」
大きく手を振り、瘴気をばら撒き、悪しきモノはもだえる。
取り乱しているような、苦しんでいるような。
そんな感じに僕は思えた。
「さっきの香はアレを誘い出すため用だ」
青年が斬りかかり、湊都さんが呪符を飛ばす。
かわして、仕掛けて、言葉を紡いで。
絶え間なく湊都さん達と僕は悪しきモノと対峙する。
(そろそろ十五分弱……)
二陣を張ってから大分時間が経った。
だんだん僕の体力・精神力に限界がきている。
視界が霞み、正確な状況判断が出来なくなっていた。
「ひよっこ」
そんな中、ふいに湊都さんが僕の背中に自分の背中を合わせ話し掛ける。
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