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「今から俺とこいつがアレの動きを封じる。その隙にお前が鎮静し全てを終わらせろ」
「えっ……?」
「今回の手柄はお前にくれてやるって言ってんだ」
そう言うと湊都さんは僕から離れ、青年に声をかけた。
機会をうかがい、攻撃を仕掛けていく。
僕は与えてくれたチャンスをものにするため、鎮静の呪符に力を込めた。
だけど、言葉と裏腹に体はついていかなくて――。
ヒュオッ!!
「?!避けろっ」
「――っ!」
悪しきモノの腕が僕の腹を叩き、僕の体は宙を浮いた。
そのまま窓に叩きつけられ、外へと放り投げられる。
ガラスの破片と共に、地面へと落下する僕。
二階と地面は案外近くて。
一瞬、僕はもう駄目なのかという諦めが頭の中を過ぎった。
「っ、風浮(フウウ)」
遠くなる意識の中、窓から身を乗り出す湊都さんが見える。
彼の言葉が聞こえた後、僕の体は地面に叩きつけられる!
……ということもなく。
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