*第一話*桜花を鎮静せよ!

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「今から俺とこいつがアレの動きを封じる。その隙にお前が鎮静し全てを終わらせろ」 「えっ……?」 「今回の手柄はお前にくれてやるって言ってんだ」 そう言うと湊都さんは僕から離れ、青年に声をかけた。 機会をうかがい、攻撃を仕掛けていく。 僕は与えてくれたチャンスをものにするため、鎮静の呪符に力を込めた。 だけど、言葉と裏腹に体はついていかなくて――。 ヒュオッ!! 「?!避けろっ」 「――っ!」 悪しきモノの腕が僕の腹を叩き、僕の体は宙を浮いた。 そのまま窓に叩きつけられ、外へと放り投げられる。 ガラスの破片と共に、地面へと落下する僕。 二階と地面は案外近くて。 一瞬、僕はもう駄目なのかという諦めが頭の中を過ぎった。 「っ、風浮(フウウ)」 遠くなる意識の中、窓から身を乗り出す湊都さんが見える。 彼の言葉が聞こえた後、僕の体は地面に叩きつけられる! ……ということもなく。
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