*第一話*桜花を鎮静せよ!

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結界が砕ける。 桜花精が悲鳴を上げる。 「ひよっ……こ!!」 僕は呪を謳い、鎮静の言霊が悪しきモノを捕らえた。 ガクガクと四之宮さんの体が崩れ落ちていく。 黒い瘴気が体内から抜けていく。 それをすかさず湊都さんは掴み、 「闇夜の世界に還れ」 と、剣を突き立てた。 崩れ落ちた四之宮さんを僕は支え、心の闇に落ちた彼女に言葉をかける。 ポタリと四之宮さんの目から涙が一滴、頬を伝った。 「四之宮さん、もう分かっていたんですよね?こんな事をしても虚しいだけだって」 「……」 彼女は答えない。 それでも僕は話しかける。 闇から抜け出すのは彼女自身で、僕はその手引きをするまでだから。 手を握り、彼女の心と同調を試みる。
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