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「……――。」
深い、深い海のような暗闇にいた気がした。
お父さんは私を見ていない。
お母さんはもういない。
お父さん。
私はここにいるのよ――?
いくら問いかけても応えは返ってこない。
お父さんは私がいなくなっても何とも思わないんだわ。
だったらこのまま……。
……消えちゃってもいいかな?
「……さん。……四之宮さん!」
依咲君?
何でここにいるの?
「四之宮さん、やっと見つけた。ここにいたんですね」
依咲君がニコリと笑って、私に近づいてくる。
額に汗が光っていた。
ここまで走ってきたのかしら?
「心配しました」
苦笑気味に依咲君は笑う。
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