24人が本棚に入れています
本棚に追加
心配してくれたのね。
ありがとう。
でも、私が望んでいるのは依咲君じゃないのよ。
私は――……。
「一緒に帰りませんか……?」
どこに。
私を待っている人はいないの。
待ってもいないのよ?
「そんなことありませんよ。貴方を思う人がちゃんと待っています」
確信がないくせに。
「僕は嘘を言いません。信じてみて下さいませんか……?」
彼がそう言った瞬間、闇が一層深く増した気がした。
私の体を取り巻くような、飲み込むような。
このままここにいれば、闇と同化してしまうのかな?
怖い。
怖いよ……。
「大丈夫。僕が掴んでいますから」
ギュッと依咲君は私の手を掴み、ニコリと笑う。
最初のコメントを投稿しよう!