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そしてもう一度、
「貴方を待っている人がいますよ。帰りましょう……?」
そう依咲君は言った。
私の手を引いて暗闇の中を歩く。
待っている人って誰……?
逆らう意思もなく、私は暗闇の中を進む。
長い長い暗闇の道。
全てが真っ暗だから道なんてないのに。
依咲君は迷うことなく、前を進んでいた。
「光に出ればすぐに会えます」
小さな光が先方にチカっと見える。
進めば進むほど光は大きくなっていた。
次第にそれは自分を包み、闇を吹き飛ばすほど大きくなって――。
「さくら!!」
誰かに名前を呼ばれ、私は目を覚ました。
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