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「これで一件落着、ですね」
「そうだな」
四之宮さんが意識を失った後、四之宮さんのお父さんは彼女を抱えて帰った。
僕達に一礼し、何度も頭を下げていたのを思い返す。
実のところ、僕が四之宮さん自身に呼びかけていた裏側では湊都さんが活躍してくれていた。
僕が四之宮さんとコンタクトを取っていたときの事。
「さて」
湊都さんはポケットから携帯を取り出し、電話を掛ける。
「……はい、四之宮ですが」
「突然すみません。俺、さくらさんの友達の湊都って言います。急ですみませんが、さくらさんが倒れました」
「さくらが……?」
明らかに動揺した声音で、四之宮さんのお父さんは答えた。
次第に声は震え、受話器越しに焦っている様子が目に浮かんだそうだ。
それから数分後、四之宮さんのお父さんは来る。
「…………」
……ある女性の、背後霊を後ろに連れて。
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