*第一話*桜花を鎮静せよ!

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湊都さんが手招きし、僕はその横に腰を下ろす。 四之宮さんの方を向くと、彼女はニコリと笑ってくれた。 偽りの無い自然体な笑顔。 お父さんとの関係が上手くいっているのだと分かる。 「元気そうで良かったです、四之宮さん」 「うん。もう平気よ」 そう言って再び四之宮さんは笑った。 「二人にお礼が言いたいの」 鞄から綺麗にラッピングされた包みをそれぞれに手渡す。 包みから甘い優しい匂いがした。 「本当に助けてくれてありがとう。自分でもなんだか分からなくて曖昧な部分もあるけど、二人のおかげでお父さんと一緒に笑える」 照れたように四之宮さんは微笑み、僕達も自然に笑みが零れた。 「あの後ね夢を見たの。お父さんと同じ夢を見たのよ」 家族三人で遊ぶ夢。 とてつもなく幸せな時間。 「お母さんが言った言葉は今も耳に残ってる」 そう言って、四之宮さんはゆっくりと目を伏せた。 「お母さんは私とお父さんに……」
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