*第二話*雨夜、燐火灯る時に

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「なぁなぁ、靜!お願いだって~……」 昼休みくらい静かに過ごさせて欲しいものなのだが。 そう思うのとは裏腹に、目の前の友人(仮)は昼休み早々俺の席へとやってきた。 「断る」 友人は俺の目の前で手を合わせ、お願いっと頭を下げる。 「昼飯奢るからさ!」 「却下。昼飯あるし」 サッと鞄の中からコンビニ袋を取り出し、飲み物を口に含んだ。 そのままサンドウィッチ手にし、食欲を満たしていく。 「靜ってば~……」 「……うるさい」 「靜様、お願い致す!」 「お前はいつの人間だ?え?」 嫌だと断り続けているのに、頼み通そうとするこの友人(仮)。 目の前で何かを言っているが、俺は聞く耳を持たずそのまま昼食を続けていた。 なんたって俺に物事を頼んでくるんだ。 基本的に、俺はある仕事以外面倒に思っている。 友人(仮)の頼みであっても、自分にとって有益があるなら別だが。
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