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結局、俺は友人(仮)という子犬に負け頼みを聞くことになった。
問題の頼み事というのは、「しばらく一緒に登下校して欲しい」というもの。
早速、頼まれた当日の放課後、一緒に帰ることになる。
「あ、雨だ」
(……最悪)
朝は晴れていたのに、雨雲が雨を呼び地上を濡らしていく。
天気予報は晴れを指していたが、今は梅雨時。
鞄に常備していた折り畳み傘を広げ、生徒玄関を出る。
ふと隣にいた気配が無いのに気付き、後ろを振り返ると……。
「傘、忘れちった☆」
テヘッとカワイ子ぶる友人(仮)。
殺意も芽生えたが、いつまでもこんなとこにいても埒があかない。
俺は盛大な溜め息を吐き、右側に友人(仮)をいれた。
「サンキュ、靜!」
二カッと笑う友人(仮)に対し、俺は複雑な気持ちになる。
(男と相合傘なんて……)
泣きたいような、叫びたいような。
人生初の男同士の相合傘に、俺は鳥肌が立つのを感じていた。
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