*第一話*桜花を鎮静せよ!

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「さぁ、学校に着きましたよ」 話しつつ歩いたからだろうか。 気付けば目の前に校門があって、あっと言う間に学校へ着いた気がする。 校門の前には先生がいて、生徒が次々に敷地内へ入っていく。 「生徒玄関までお供しますね」 「うん。ありが……」 「侑真」 小桜にお礼を言いかけたとき、後ろから僕を呼ぶ声がした。 誰かこちらに向かって手を振っている。 「あ」 「父君のご友人の……。侑真ともお友達なのですか?」 「友達……かな」 彼は同じクラスで榎本馨(エノモト カオル)君。 席が僕の後ろで、入学時から仲良くさせてもらっている。 お家が神社で、何でも僕と彼の父が友達らしい。 「お早う。小桜さんもお早う御座います」 ニコリと小桜は笑い、軽く会釈をする。 「お早う御座います、馨」 僕が挨拶を返すと、馨はニコリと微笑んでくれた。
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