24人が本棚に入れています
本棚に追加
「さぁ、学校に着きましたよ」
話しつつ歩いたからだろうか。
気付けば目の前に校門があって、あっと言う間に学校へ着いた気がする。
校門の前には先生がいて、生徒が次々に敷地内へ入っていく。
「生徒玄関までお供しますね」
「うん。ありが……」
「侑真」
小桜にお礼を言いかけたとき、後ろから僕を呼ぶ声がした。
誰かこちらに向かって手を振っている。
「あ」
「父君のご友人の……。侑真ともお友達なのですか?」
「友達……かな」
彼は同じクラスで榎本馨(エノモト カオル)君。
席が僕の後ろで、入学時から仲良くさせてもらっている。
お家が神社で、何でも僕と彼の父が友達らしい。
「お早う。小桜さんもお早う御座います」
ニコリと小桜は笑い、軽く会釈をする。
「お早う御座います、馨」
僕が挨拶を返すと、馨はニコリと微笑んでくれた。
最初のコメントを投稿しよう!