楽屋で

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ガチャリ 全身真っ黒 大柄な人の独特な気配で、彼が入ってきた。 大きい荷物を掲げ、楽屋の隅に置く。 親しげに声をかける者、目線だけで捕らえるだけの者、意識はしてるけど反応しない者。 こんな感じ。無視できない感じ。 私は二番目、鏡ごしにみてドキッとした。 目が鋭い なんとなく肉食? 眼鏡の奥、アジア系なんだけど、どことなく隙がない異国風の目が、 あうまえに鏡の自分に戻って、 さ。(笑) 怖いなって思った。 人見知りしないタイプだね、良く言われるけど 臆病だから。 本当はすごく臆病だから、 しっかり彼の気配が消えてからメイクさんに聞いてみた。 ふみ(アタシ)「今の~おっきい荷物の人誰ですかぁ😃?」 メイク「ああー😃コーのこと?🍎🍎ちゃん(アタシの芸名)知らなかったけ。カメラマン。」 ふみ「カメラマン?」 コー。 メイク「そだよ。今回、場内美術でコーの写真受付にいっぱい貼り出すんだって~」 ふうん。 ふみ「楽しみですね!!」 近づかないでおこう。 メイク「ね!彼、いい写真撮るよ~」 そうなんだ、はい。 ふみ「へぇ✨」 メイク「本番も撮るってさ😃」 あ、そなんだ。 ふみ「じゃあ頑張んなきゃ~あ!最高綺麗にしてくださいね😌」 メイク「任せて🆗」 はぁ。 あの目こわいなぁ。 本番、集中、無視無視。 無視…結局できなくなるんだけどさっ。
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