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「でも、やっぱり納得いかないよな。人を殺した人間が10年も生かされてるなんて……。安美はあの日、人生を終わらせられたのに……」
健太が悲痛な表情で言葉を漏らす。
言ってもどうしようもないことなのだから、封印していた文句だ。
だが、やはり納得いかない。
その気持ちに、翔子も同調した。
「うん……。本当にそうね……」
その瞳には怒りや戸惑いのほかに、不安も見て取れる。
戸隠は多くの少女を暴行し、殺害した。
そういう人間が、今もどこかで生きているということが不安なのだろう。
女性というものは、そう考えるのかもしれない。
健太はそう感じた。
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