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太陽が恐ろしい。
無垢も汚穢も、あるがままに照らし出してしまうあの太陽が恐ろしい。
穢れを知らずに生きられぬ我々にとって、あの純然たる光は、かくも恐ろしい。
いかに私が唾を吐きかけようと、あの限りない至純の前には、一片の曇りももたらす事はできないのだから。
――暗く、血肉と精液が混じり合い、むせ返るような腐臭で満ちたこの部屋こそが、自分に相応しい場所なのだと、彼は感じていた。
ここに来る度、何とも形容しがたい高揚感やトキメキのような物を感じてしまい、それは自身の器官の細部に至るまでを侵食する。
それこそ、この感情はまるで何かの因縁のように、胎児の頃よりこの身体に刻み込まれていたものであるかのような、そんな思慕とも言える念を持って迎え入れられるのだ。
――やはりだ。やはりここは心地が良い。
目を閉じれば、少女達の微かな息遣いが耳に滑り込んでくる。
まっさらだった彼女達に穢れを注ぎ込み、その呼吸が段々と途絶えていく様を感じていると、彼の中に不思議な安堵が広がる。
――私が、汚した。
――私が、殺した。
その一つ一つの真実は、彼が生を営む上で非常に大事な、価値あるものなのだと思えるのだった。
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