俺と『豆太郎』の逃避行編《苦悩》

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12年生きてきて、胸が熱くなって、涙が溢れたのはこの時が初めてでした。 「ばっ、うぁ、わっ、(うっ、うっ...)。ばぁりがとう、おいちゃん。」 張り詰めていた緊張の糸が解けて、俺は泣き崩れてしまいました。   緊張の糸が解けた瞬間、とてつもない空腹に襲われて、アルミホイルを開けるのに夢中になりました。  中に入っていたのは、海苔でグルグルに包まれた丸いオニギリが2つと、卵焼き2切れ、から揚げが1つ、たくわんが2切れ入っていました。 目にした瞬間には、おにぎりにむしゃぶりついていました。
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