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鯔島(ぼらじま)さんの家の玄関にはビックリさせられました。
初めて見た大理石の玄関。
その大理石が、これでもか、といわんばかりに輝いていました。
その玄関に佇む(たたずむ)鯔島(ぼらじま)さんの神々しさ(こうごうしさ)は、今でも目の奥に焼き付いています。
俺と『豆太郎』は、玄関から少し入った所にある、畳が全面に敷かれた大広間に通されました。
すると鯔島(ぼらじま)さんは、
「ぼうず、自分の家だと思って寛いで(くつろいで)くれや。
俺はかかぁを呼んでくっから、今流行りのファミリーコンピューターでもやっといてくれや。
俺もハイカラなとこあるんだぜ。
ふっ...。」
鯔島(ぼらじま)さんはそう言うと、そさくさと部屋から出て行ってしまった。
しょうがないので、時間を潰そうと思い、20m先のテレビの前まで行く事にしました。
テレビの前に移動すると、鯔島(ぼらじま)さんの言う通り、ハイカラなファミリーコンピューターが置いてありました。
ファミコンに向かいあったのも半年振りとあって、当時の俺は『マリオブラザーズ』の音楽を鼻歌で歌いながらセッティングしていました。
俺のテンションはMAXになってましたね。
そんな中『豆太郎』は、畳の肌触りが大層気に入ったらしく、体を擦り(こすり)ながら鳴いていました。
二人ともこんなに落ち着いて、満たされた気分になったのは、この逃避行生活の中では初めての事でした。
(とりあえず、手前の土管は潜って...。やっぱりワープやっとくかなぁ...。
ノコノコ踏み付けて、同士討ち...。)
といった具合に俺のボルテージが最高潮に達した時、目に飛び込んだ光景に疑問を持ったんです。
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