俺と『豆太郎』の逃避行編《激震》

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『スーパー森男ブラザーズ』。 俺は嫌悪感に駆られ(かられ)ながらも、そのゲームをやってみました。 物は試しって言いますから。 このソフトをインサートして、箱から説明書を取り出し、画面と説明書を交互に眺めていました。 オープニング画面。 映し出されたのは、従来のマリオとは異なった画面でした。 この展開は意外でした。 てっきり、タイトルを文字っただけの、ゲーム性はマリオと瓜二つ(うりふたつ)の内容が展開されるものだと思っていましたから。 よくよく説明書を見ると、説明書の冒頭には、 『当ゲームは、スーパーマリオブラザーズとは一切関係なく、別のゲーム内容となっています。 以上の事をご了承下さい』 と、書いてありました。 期待に胸を膨らませていた俺は、悔しさに溢れ、ソフトを『豆太郎』の口に押し込みました。 しかし、『豆太郎』の潤んだ瞳をみて考え直したんです。 だから、悔しさを飲み込み、改めてチャレンジすることにしました。 1Pで初めてみると、赤い帽子と、緑の帽子を被ったヒゲ面のおやじが、太い木を挟んで立っていました。 画面に『じゃんけん』という文字が出たので、慌てて説明書に目を通して、ゲーム性を把握しようとしました。 十字キーの左右で選んで、Aボタンで選択すると書いてありました。 最初は、じゃんけんの基本の『グー』を選択しました。 『ぽんっ』の掛け声と共に、画面にはじゃんけんの模様が映し出されました。 結果は...。
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