俺と『豆太郎』の逃避行編《出会い》

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お久しぶりです船長。 今は何処の海で戦ってらっしゃるんですか? 船長の名前の由来となった、『フック』の舞を懐かしく思います。 あっ、そういえば船長の本当のお名前って何でしたっけ? 確か、ステファン....いや、違うな.......ウーン.....フランシスカ...えーっと......エイブラハム............わかんないからどうでもいいや。 とにかく、今は『フック』船長だから、そこさえ把握できてれば問題ありませんね。 かっこいいっす、名前が『フック』って。 ......。ここはやっぱり謝った方が利口ですか? 度々のご無礼、申し訳ありませんでした。 まぁ、謝った事ですし本題に入らせてもらいます。 俺と『豆太郎』の出会いについては前回お話しましたよね。 そうです、熱海のバナナワニ園です。 当時の『豆太郎』は本当に人気者で、その一番の要素は、稀にみる時計マニアだったという事なんです。 度々、TVでも取り上げられたんですが、『豆太郎』はいい時計を見極める事が出来たんです。 有り得ない光景だとは思いませんか? ワニが時計の良し悪しを見定める光景。 ある番組で、『豆太郎』の特集が組まれ、検証実験が行われました。 『大○屋』本店のお墨付きの本物のROLEX。 片や、マカオの裏ルートから流れてきた偽ROLEX。 この二つを並べめてみると、なんと『豆太郎』は本物を食べてしまったんです。 偽物はものの見事に尻尾で弾き飛ばしていました。 翌朝のニュースのトピックスは『豆太郎』一色でした。 想像してみて下さい。 .....。 間違いなく凄いですよね? 判別できちゃうえに、しまいには食べちゃうんですよ。 未だかつて、こんなワニには出会った事がありませんでした。
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